2016/12/27

都内各地にシリアが出現!

皆さん、こんにちは。インターンの高橋です。
12月を迎え年末が近づいてきました。一年が過ぎるのは、本当に早すぎですよね。


さてさて、先月は3Dアートイベントを明治大学前と文京区シビックセンターで行いました。多くの皆さんにご参加いただき、写真を撮ってもらいました!皆さん、ちゃんとSNS等でシェアしてくださったでしょうか?(笑)

そして実はこのイベント、毎日新聞を始め、多くのメディアに取り上げられました!
このイベントには、私も準備段階から参加していたので、非常に驚きました。

皆さんも経験があるかと思いますが、準備というのは完成の見た目より45倍いや10倍大変で、無事に終わって安心しています。

文京区シビックセンターで準備中のインターン平島さんと川嶋さん。
 真剣に写真配置について考えてます!

■ 一人でも多くの人に足を止めてもらうために

シリア紛争・難民という遠い国の、やや堅い内容を身近に感じてもらうためにはどうすればいいのか。イベントの告知や展示物を作成するにあたり、ポップすぎてもおかしいし、深刻すぎてもダメなので、そのさじ加減がとても難しかったです。

また、当日会場には、難民の人たちが置かれている状況を伝える写真パネルを展示したのですが、展示できる写真の数やストーリーが限られている中で、それらをいかにわかりやすく伝わるように設置するか、また、そうした細かいこともイベントではとても重要であるということを、今回の経験を通して感じました。

通りすがりの人に足を止めてもらい、展示を見てもらう。
これが、いかにハードルが高いことか。

作業は大変でしたが、当日は、写真パネルを真剣に見てくださる方や、紛争前のシリアの写真をみて「行きたかったなー」と話す学生など、たくさんの人にこの問題について関心を持ってもらうことができ、こうした活動を行う意義を再認識しました。


 
明治大学では、トリックアートを見てもらおうと、通りかかりの学生や社会人に、必死に声をかけました!
次の日は声がカラカラに。

■ 新鮮に聞こえた「お互いさま」という言葉

イベントに来てくださった方との会話は、とても楽しく、また、とても印象に残っています。

中でも、助け合うのは「お互いさまよね」という言葉が、私にはても新鮮に思えました。日常生活のなかでよく聞く言葉ではありますが、シリア紛争に関することで聞くと、とてもシンプルで納得できるワードでした。

平和な(さまざまな解釈があるかとは思いますが・・・)日本では、自分たちも「そうだったかもしれない、そうなるかもしれない」という感覚を持つことは少ないかもしれません。でも、日常生活の問題、国際上での課題も、「お互いさま」という気持ちで、考えていけば、より早く解決へのステップが踏めるような気がします。



明治大学の関係者の皆さま、文京区の関係者の皆さま、そして、当日お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました。

そしてこれからもシリアのことを、頭の片隅にどうか残しておいてください。



★「I WELCOME 難民の未来は、あなたがつくる。」キャンペーン始動!★

深刻化する難民問題。押し寄せる難民を前に、対処しきれない国々。
何年も、何十年も、先の見えないテント暮らしで、すり減っていく毎日。
そんな難民の人たちの未来を、日本にいる私たちが変えることができます。
このキャンペーンに、ぜひ、ご参加ください。
 
▽ キャンペーンに参加する
http://www.amnesty.or.jp/landing/refugee/



2016/11/16

インターンをはじめて~高橋編~


初めまして、キャンペーン担当のインターンすることになりました高橋です!


 10月から活動に参加させていただいて、最近日々の業務に慣れ始めたかな?といった感じです。 大学では国際系の学科に所属していますが、人類学や社会学の授業が最近楽しいなと思っています。

アムネスティのインターンに応募した理由は、大学の授業や留学経験を通して、知識をインプットすることは多くあった一方で、なかなかそれを活かす機会がなかったので、「インターンの活動でバランスの取れた経験が出来たらいいな」と考えたからです。

また、日々の生活の中で気づかないうちに自分とは異なる人に偏見を持っていることにも気づくこともあり、もっと自分から知り、向き合う必要性を感じています。

 実際、生活をしていく中で、人権を守るということは非常に難しいものだと感じています。 個人の考えや行動は、生まれた環境や出会いの積み重ねによって育まれていきます。それは他の誰とも100%一致するものではありません。 100人いれば100通りの考えを持つ個人が、他者一人ひとりの立場を考え、人権を守っていく活動は、終わりのないことと思います。

 しかし、考え模索していくことに必ず意味があると信じています。
多分、すべてのバイアスをあらゆることに対してを無くすことはできないと思いますが、自分から他者に近づいていくことは、本当の意味で理解・受け入れるために必要な作業だと思っています。



 「みんなちがってみんないい



というのが金子みすゞさんの詩にありますが、人との違いを受け入れることで自分を認められる。そういうことをよりインターンの活動を通して、学んで行けたらいいなと考えています。



■ 3Dアートのイベント開催

少し話が変わりますが、タイトルを考える段階からお手伝いさせていただいている3Dアートのイベントがもうすぐ催されるので、少しわくわくしている、この頃です(笑)。多くの人が、シリアの長引く紛争に興味を失わず、引き続き一緒に関心を持っていければと願っています。


取り止めもなく書いてしまいましたが、この辺でおいとまさせていただきます(笑)。
ご迷惑をかけながらも、誠心誠意取り組んでいきたいと思います!



↑ サンフランシスコに行って、予備知識0でゴールデンゲートブリッジを見たとき、「金じゃないんだ・・・」とちょっとがっかりした時の1枚



■3Dアートのイベントを下記の日程で開催します!

○ 日時:11月17日(木)/18日(金)11:00~17:00
  場所:明治大学駿河台キャンパス リバティタワー前 フェニックス広場 


日時:11月21日(月)11:00~21:00/22日(火)9:00~19:00
  場所:文京区 シビックセンター1階 アートサロン 

お誘いあわせの上、ぜひ、お立ち寄り下さい。

2016/10/27

インターンを終えて~さまよえる中川編~

ついに、6カ月とちょっとというインターンが終わってしまいました。
私は主にアムネスティの会員誌の編集をしていたのですが、その他にもキャンペーンのイラストを描かせてもらったり、普段は会えないような人に取材させてもらったり、さらにはタイ支部にまで行かせてもらったり……やりたいことをたくさんできた半年でした。


楽しいこともたくさんあった反面、思い悩むことも多々ありました。(詳しくは過去の記事「さまよえるインターン、中川」をご覧ください)

アムネスティに入る前、私が抱いていたNGOの勝手なイメージは、きらきらした正義のヒーローみたいな感じでした()
でも、実際にインターンとして働いてみて、そんなキラキラしたイメージとは程遠い、泥臭く、でも情熱を秘めたアムネスティの姿を見ることができました。

仕事をする中では、目の前の自分の仕事をしながら、何のために自分がこの仕事をしているのか、何のためにアムネスティが活動しているのか、目的を見失わず広い視野で活動することの難しさを感じました。
自分自身がもっと何か技を身につけないといけないとも感じました。いくら志が高くても、その技がないと何も社会を動かすことはできないと実感しました。
インターンとして内部で活動する中で、アムネスティ日本が改善できる点もたくさん見つけました。
それを改善する具体的な方法はまだ見つかっていません。ですが今後も何かしらの形でアムネスティにかかわり、提案できればと思っています。

こんな感じで、結果的に解答よりも疑問や課題のほうが多く見つかったインターンでした。


しかし、このインターンを通して一つだけ、やりたいことが明確になりました。
それは「人々がわくわくするようなモノで、みんなを楽しませながら社会の問題を解決したい!」ということです。

人権問題や貧困問題、環境問題、戦争……

聞くだけで重苦しいワードで、なんだか息がつまりそう。
一人じゃ解決できなさそうだし、私には関係ない問題だわ。

そう思う人の方が多いのかもしれません。

だけど、一人ひとりがちょっと意識を変えて行動するだけで、改善する問題は山ほどあるように思います。より多くの人にアクションしてもらうことで、それぞれの負担も減り持続可能な解決策につながるのではないでしょうか。


ところが、「一方的に〇〇しなきゃ!!」「△△をやめよう!」と言っても、聞く耳を持ってくれる人は結構少ない。
特に、元々興味のない人なんてほとんど振り向いてくれません。
でも伝え方によってはたくさんの人が興味を持ってくれる方法があるのではないでしょうか。


例えばこんな伝え方↓

これは2010年にアムネスティがハンガリーで行ったキャンペーンの様子です。
野外フェスで無料のピザを食べられる券が配布されているのですが、実際に引き換えてもらうと手渡されるのはピザの絵が描かれたただの紙皿。
このキャンペーンのタイトルは「PROMISE DON’T FEED(約束は食べられない)」
2000年の国際ミレニアムサミットで結ばれた貧困撲滅の約束を、首相たちにちゃんと守ることを呼び掛けるキャンペーンが行われたのです。


アムネスティの原点は草の根運動です。市民の輪をより大きくしていくことが重要だと私は考えます。
だからこそ、もともと興味のない人にも「なんかその話について聞いてみてもいいかも・話してみてもいいかも・行動してみてもいいかも」って思ってもらえるような方法で情報を発信する人間になりたいと思います。


上司の鈴木さんをはじめとするアムネスティの職員さん、同期のインターンのみんな、ボランティアの皆さん、中川はみなさんのおかげでまた一歩先のステージへと踏み出すことができました。お世話になりました!
¡Gracias!


スーパーバイザーとしてお世話になった鈴木さんと

タイ支部でのインターン

サワディーカー!はじめまして。アムネスティインターナショナル タイ支部でインターンをしております、飯干と申します。都内の大学院で主に紛争解決と平和構築について研究をしていますが、タイの大学院への留学と並行して、タイ支部で9月からインターンとして活動しております。
インターンとしてどのような事を行っているかをご紹介する前に、なぜ私が人権問題やアムネスティの活動に興味を持ったのかをお話しいたします。

元々開発途上国の貧困や国際協力に興味があり、学部3年次に一学期間アフリカのウガンダへ留学しました。そして現地の大学で授業を受けながら、児童養護施設でインターンとして活動しました。


ウガンダに来てから2か月ほど経った頃、ホームステイ先の近所のお家に、日中から洗濯や掃除をしている小学生くらいの女の子がいることに気が付きました。彼女についてホストマザーに尋ねると、彼女の両親は貧しく、学校の制服(日本円で300円相当)を買ってあげられないため、彼女は学校に通っていないことを教えてくれました。そしてハウスヘルパーとして他人の家で働き、家族を養っているそうです。日本と同様、ウガンダの初等教育は無償で受けられます。しかし、制服代、教材費、施設費などが支払えないために、教育を断念せざるを得ない子どもは少なくありません。もし仮に彼女が学校に通えたとしても、彼女の家族は大切な働き手を失ってしまいます。

日本で何不自由なく育った私にとって、とてもショックな出来事でした。

子どもの権利条約28条には、全ての子どもは教育を受ける権利があり、初等教育は義務的なものであると述べられています。しかしこの時ばかりは、「権利」「義務」という言葉が薄っぺらなもののように感じられました。

自身の無力さに気づかされると共に、何か具体的に活動できないかと思い、タイ支部でのインターンシップに参加させていただきました。

タイ支部では、主にファンドレイジングに携わっています。10年ほど前に、「よーく考えよー、お金は大事だよー」というCMソングが流行りましたが、まさにその通りです。資金が確保できないと、支援を必要としている人々の境遇を変えることはできません。現在タイ支部のファンドレイジング部門では、Face to Face(街頭キャンペーン)の発足に向け、日々職員の方々が奮闘しています。

インターンの活動を始めて1か月半が経ちましたが、私が主に携わっているのは、アムネスティについての動画を、予告を流す際に公開してもらえるようバンコクにある映画館に交渉することと、バンコク出身の若手イラストレーターとアムネスティ タイ支部のコラボ商品を開発することです、、、と言うととても聞こえがいいのですが、タイ語がわからないため、映画館やイラストレーターに英語で宛てたメールを、タイ人インターンにタイ語に翻訳してもらったりと、逆に人の仕事を増やしている感じは否めません(笑)

自分自身のタイ支部への貢献度は低めですが、タイ国内での人権問題やNGOの役割を、タイ人やイギリス人の職員さん、タイ人やネパール人のインターンが混在する環境で学べるのは、とても有意義な経験です。


日本と同様に、タイでのアムネスティの知名度は、欧米諸国のそれと比べて低いです。しかし、解決されなければならない課題は国内外まだまだ沢山あります。ウガンダで感じたことを糧に、今までの経験を活かし、微力ながら12月まで頑張りたいと思います。

2016/10/19

インターン中川、タイ修行編②

前回までのあらすじ~タイに降り立ったインターンの中川は、アムネスティタイ支部に潜入したのでした。しかしそこには意外な人がいて……!?

職員のMayさんにインタビューをさせてもらった中川は、タイ支部の二階(タイ支部は一軒家なのです!)を見せてもらいました。
するとそこには日本人が……!

ノアさんと中川

 彼女の名前はノアさん。タマサート大学に留学生として来ていて、空いた時間にタイ支部でインターン生として活動しているのです!
しかも、ノアさんは七月まで日本支部でファンドレイジングのスタッフとして働いていたのです!(ただしスタッフとインターンは働く時間帯が違うため日本支部ではほとんど面識はなかったのですが。)

タイにいる日本人インターン……!いろいろ面白い話が聞けそう!ライター魂を燃やす中川はノアさんにもインタビューしちゃいました!

Qいつからタイにいるんですか?

八月からなのでもうすぐ一カ月たちます。でも、インターンを始めたのは最近で、未だ一週間しかたっていません。(インタビュー当時)

Qタイ語は使える?

めっちゃ難しい…まったく読めないって感じてるんですけど。。。
タイ語は日本でちょっと勉強しただけで全然分かりません()まだ勉強中です。タイ支部の職員さんたちはみんな英語が分かるので、インターンは英語を使っておこなっています。

Q日本支部とタイ支部の違いって感じますか?

そうですねぇ……建物からして「職場感」っていうのがあまりないように感じます。あとは、ファンドレイジング面とか、まだ日本支部よりも確立できていない部分があるのですが、そこが逆に「今から新しくタイ支部を作っていく!」というわくわく感につながっているように感じます。

タイ支部の難民イベントの様子


Qこれからどんなことをインターンとしてやりたいですか?

アムネスティって、世界全体の人権問題を扱っているので自分の身近なところでアムネスティの活動を感じてもらいにくい部分があると思います。だからこそ、どうすればサポーターの方に納得してもらいつつ、アムネスティをサポートしてもらえるかということを考えながら活動したいと思います。日本支部でテレフォンマーケティングをやっていたのでその経験も活かしたいです。


タイ支部で活躍するノアさんや職員さんに会い中川が一番感じたことは、タイ支部すごく勢いがあるなあ!!ということでした。ノアさんに伺ったファンドレイジング面でもそうですが、日本と同じかそれ以上に人権意識が低いタイのなかで「やったるでー!!」というような熱意が感じられました。それと同時に日本ももっと世界の人権問題に対してやれることが山ほどあるんじゃないかと感じました。タイに負けられないぜ、日本。



Mayさん、ノアさんをはじめとするタイ支部のみなさん、タイ支部に行けるチャンスを作ってくれた日本支部の職員さん、支えてくれたみなさん、ありがとうございました!

2016/10/18

インターン中川、タイ修行編①


こんにちは!インターンの中川です。
前回お伝えした通り、私は一週間のタイの修行に行ってまいりました。
なぜ急にタイに行くことにしたか、実はタイを選んだ深い理由は特にはありません。(タイ料理は好きですが。) ただ、一旦自分が住む国から離れることでごちゃごちゃした頭の中を客観的にみることができるかもしれない、ということがありました。そんなよく分からない動機で行くことになったタイですが、行く前に職員の山下さんからあるチャンスをいただくことができました。それは……アムネスティタイ支部に行くこと!!
海外のアムネスティがどんな活動をしているか、肌身で感じることができる!
そんなわくわくを胸に、中川はタイへと旅立ちました。


タイではバスの運転手さんに行き先が伝わらなかったり、いろいろあって日本にいる家族に多大なる迷惑をかけたり…とハプニングの連続でしたが、多くの人に助けられたことによって人の温かさを感じました。一人旅であったからこそ、たくさんの人と関わることができました。


そして、タイに上陸五日目!待ちに待ったタイ支部に行く日です。
日本支部のようなイメージをしていた中川ですが、なんとびっくり!タイ支部は一軒家のおうちでした!まるで友達の家に来た気分……

職員さんもとってもフレンドリーな方で、一緒にお昼ご飯を食べながら世界・タイ・日本の人権問題について意見交換ができました!


せっかくなので、タイ支部の職員Mayさんに突撃インタビューをしちゃいました!!


Q、アムネスティタイ支部が特に力をいれて解決に取り組んでいる人権問題はなんですか。

今、特に力を入れているのは難民問題と人権活動家のサポートです。
難民問題は、今グローバルキャンペーンとしてアムネスティが取り組んでいることですね。全世界の難民問題を取り扱っています。でも、タイにはミャンマーからくる難民や、パキスタンやベトナムで迫害を受けてタイに来たキリスト教徒の難民、難民の認定が下りるのをずっと待っている人もたくさんいます。
人権活動家のサポートも世界的に取り組んでいることですが、タイ支部はタイ国内の人権活動家のサポートをより積極的にしています。タイ国内に、その活動により拘束されたり脅しを受けたりしている活動家が多くいるのです。活動をしているグループに実際に会いに行って、メディアの効果的な使い方や、外部に向けたメッセージの発信の仕方、タイの政治情勢が具体的に今どういう状態なのかということを教えたりもします。
また、国内だけに焦点を当てると、改正されようとしているコンピュータ犯罪法が大変問題を含んでいます。改正されれば、今まで以上に表現の自由が制限され、プライバシーも守られないことになります。

9月に行われたタイ支部のイベントの様子


Q、自分たちの活動をタイの人権問題の解決にどのように結び付けていますか。

多くの方法があると思いますが、最もいい方法は人々が人権について考えて、発言するきっかけを生み出すことだと思います。だから、今のタイの状況や世界の状況をより多くの人に知ってもらって、人びとに考えてもらえるようにすることが大切だと考えます。


Q、タイの人の人権意識は高いと思いますか?

No!!!です(泣)。多くの人々が、「人権」という概念自体がそもそも西欧から来たものだと信じているので、タイではまだまだ根付いていないように思います。また、人権という概念は安定した平和があってこそ意識できるものです。タイ国内ではまだ平和という部分に揺らぎがあるので、まずそこがしっかり構築されなければ人権に対する意識はまだ定着しにくいと思います。


Q、タイでアムネスティをよりよく知ってもらうためにどんな事をしていますか?

タイでアムネスティを知っている人々の多くが、政治や人権に元々興味を持っている人たちです。しかし、国民全体としては知らない人の方がほとんどです。アムネスティは草の根運動から生まれたものなので、もっと一般市民にアムネスティのことを知ってもらわないといけないと感じています。アムネスティの活動をより多くの人に理解してもらうためには、実際にイベントなどでface to faceで人々と関わり合うことが必要だと感じています。
例えば、タイには14のアムネスティの学生クラブがあります。これは、東北部と南部にそれぞれある二つのタイ支部が地域に密着して、ワークショップなど活動を行っている成果だと思います。活動を広げるのはとても地道で大変なことですが、草の根運動が主体のアムネスティにとってこの活動はとても重要なことだと思います。
 また人権教育にも力を入れて、人権について楽しく学べる冊子もたくさん作っています。9月には、難民に関するイベントを開きます。イベントでは、移民と難民の違いについて話したり、どういう風に難民が生まれるのかということについて教えたりします。

また、タイ出身の子どもと難民の子どもを混ぜたグループでワークショップを開いたりもします。難民の子どもたちと直接かかわることで、難民でない子どもたちのなかの意識も変わっているように感じます。ワークショップのなかでは、子どもたちに「もし、自分の生まれた場所を離れて他の国に行かないといけないとしたら、何を持っていく?」というような質問をして、子どもたちに実際に自分が難民の立場に立った場合のことを考えてもらったりします。他にも映画を上映したり、フォトアクションをしたり、ウォータータトゥーのブースを開いたりと、楽しみながら人権問題に興味を持ってもらえるようにイベントの中で工夫をしています。

フォトアクションの様子

〈広々とした公園でのフォトアクション。とっても楽しそう!〉
 
Q、同じアジアにある支部として、アムネスティ日本支部に期待することはなんですか?

タイのサポーターは1000-1500人程度とまだまだ小規模なのですが、日本には、タイよりもサポーターがたくさんいるので、経済的にも規模としても大きなことをできると思います。日本はアジアにおいて政治的にとても影響力のある国の一つなので、アジア諸国の人権状況の改善に大きく貢献できるのではと期待しています。


そして、アムネスティタイ支部では奇跡的な出会いが待っていたのです……(次回に続く)

2016/10/07

フランス・ギリシャで考えたこと

前回に引き続き、キャンペーン担当インターンの平島です。

働き始めて2週間にして、長期のお休みをいただくというわがままをやらかしたのですが、そのお休みの間にフランス・ギリシャに行ってきました!

フランスは大学院の研修で、人間とは何か、という大きなテーマのもと、先史時代の洞窟や近現代の南仏の画家の足跡をたどりました。ギリシャは個人で行ったのですが、クレタ文明やミケーネ文明、そしてアクロポリスなどの古代遺跡を観たり、初期のキリスト教の史跡を訪ねたりしました。

フランス 先史時代の洞窟が点在するLes Eyzies de Tayacの風景

ギリシャ アクアポリス


遺跡をめぐった2週間はまるでタイムトラベルのようでした。この旅でとりわけ感じたのは「人間ってすごい!」ということです。

紀元前17000年のラスコーの壁画の鮮やかさ、ギリシャに残る古代の建築物の荘厳さ。

これらを前にして、人間の心の豊かさを否定することは到底できないと思います。
かつて、先史時代の壁画が発掘され始めた19世紀後半頃からは、「先史時代の未開人にこのようなものが生み出せたはずがない」という思い込みから、その発見を否定する風潮があったようです。しかし、今ではそのような立場は覆されています。

遥か昔から人間がこのようなものを生み出していたことを思うと、すべての人間に価値があるのだなあと実感せざるを得ないのでした。人間人間いっていますが、その人間を取り囲む動物や自然の素晴らしさもまた然り、です。


最後まで読んでくださってありがとうございました!

インターンを始めて~平島編~


はじめまして!キャンペーン担当インターンの平島です。

8月半ばから働き始め、9月は大学院の研修などでフランスやギリシャに行っていました。まだ働き始めて間もないですし、初めてのブログ投稿ですが、書きたいことが既にたくさんあります。笑

今回は、インターンを始めた経緯について書こうと思います。



 多くの人がそうであるように、私は世界中の困難や理不尽な出来事が無くなってほしいと望んでいます。

そのために何かしたいと前から思っていましたが、国内/外の貧困、難民問題、人種差別、障がい、死刑制度、その他多くのテーマに関心があり、とても全部には取り組めないし、かといって特定の一つを選ぶこともできないと思っていました。

また、たくさんの関心を持っていることに対し、まるで自分の関心がバラバラに存在してしまっているかのように感じていました。そんなとき、いつものようにパソコンをいじっていたら、人権団体アムネスティ・インターナショナルに出会いました。
 
アムネスティの名も、「人権」という言葉も聞いたことはある程度でよくは知りませんでしたが、このときは「これだ!」と思いました。バラバラに見えた私の関心は、「人権」に対する関心だったのだ、と気づきました。それならば「人権」のために働ける人になりたい!と思ったので、まずはインターンをさせていただこうと思いました。
 
実際に働き始めてなによりも驚いたのは、人権侵害が思っていたよりずっと多く、毎日のように起きていることです。例えば、政府機関によって極秘に拉致されたり、殺されてしまったり、というような事件のレポートが世界各国にあるアムネスティ事務所から日々届いています。また同時に、時間がかかるけれども人権問題を解決することは不可能ではないこと、アムネスティの活動を支えている多くの人々がいてくださることなどを知りました。

インターン初日にはアメリカのアムネスティの方が東京事務所にいらしたのですが、人権のために何かをしたいという思いの世界的な広がりを見ることができました。
 
アムネスティに連なる一人としてこれから自分にできることを探していきたいと思います。まずは半年間のインターン、精いっぱい頑張ろうと思います!

アメリカのアムネスティで活動するトニーさんたちと

2016/09/27

インターンを始めて~川嶋編~


こんにちは、はじめまして。
7月からファンドレイジング、渉外インターンを始めた川嶋です。


初めてのブログ投稿なので、簡単に自己紹介とインターンを始めた理由(人権に関心を持った理由)を書いてみたいと思います。

私は現在大学生で、特に専門分野はなく、哲学やら政治経済やら創世記やらとにかく関心のあることをなんでも学んできました。そして中学生のころから愛用しているバックパックでいろんなところに行くのが好きです。


LGBTIの権利を求める運動が活発な北カリフォルニアに留学したり、アメリカのホームレスシェルターで配膳のボランティアをしたり、フィリピンの山岳民族と北欧のサーミ族のお宅にホームステイさせてもらったり、近所で働いていたフィリピン人実習生と友達になったり・・・行く先々でここには書ききれないほどいろんな人と出会いました。


フィリピンの山岳地帯の村の風景。開発と環境、人権(特に先住民族としての)について初めて考えさせてくれた場所です。



そして気が付いたことがあります。


メディアを見れば、LGBTI、ホームレス、先住民族、外国人実習生といったくくりで彼らについて語られることがほとんどですが、そういったラベルをつけられる以前に、だれでもみんな同じ人間であるということです。

お酒飲んで冗談言って、歌って踊るのが好き。本読んでぼーっとしてるのが好き。

そんな彼らは単純に私の大切な友人であります。

個々に経済的、政治的、社会的な様々な問題を抱えることもありますが、私にとって「人権」という切り口が、人種、国籍、個人の肩書きに関係なく、一番個人に寄り添えると思いました。そしてまた「人権」という視点は自分自身、身近な人についても考えさせてくれます。

という気づきを経て、アムネスティのインターンに応募し、今この記事を書いています。

半年間のインターン、精一杯頑張りたいと思います。



2016/09/08

さまよえるインターン、中川

こんにちは!
アムネスティでインターンをしている中川です。
アムネスティでのインターンも、残り一ヶ月ほどを切ってまいりました。
今日はインターンをしている中で感じたこと、そして中川がこれから予定するちょっとした挑戦をお話しします。

その1、日本でのアムネスティの知名度の低さ

……といっても私自身、インターンに募集する一週間前に初めてアムネスティを知ったのですが。
アムネスティを知っている人でも、教科書でちらっと名前見たくらい、何しているかはよく知らん。という人が多いように感じます。さらに言えば、日本国内でのNGONPOの存在感が薄いような気がします。そして「人権」という概念自体に対する意識も日本ではあまりないのかな、と思います。
アムネスティの知名度を上げるために何ができるか、そして日本国内でのNGONPOのあり方とはなんなのか、あと一ヶ月で答えが出るとは思えませんが、インターンを辞めたあとも考えていきます。


その2、苦しむ人々を本当に救うには何をするべきなのか?

インターンをしていて、毎日世界各国のたくさんの人権問題を知ります。
人権問題で苦しむ人々の力に少しでもなれば……と活動しているのですが、時折本当にこれが力になるんだろうか、と疑問を感じます
日本で毎日安全、安心、豊かな生活を過ごしている自分と、世界の人権問題とのギャップもとても感じます。
偶然にも日本で生まれた私が、苦しむ人々のために何をするのが一番力になれるのか。問題を解決するにはお金も時間もかかります。この無限ではないお金と時間をどういう風に使えば一番問題解決につながるのか。答えを出すにはだいぶ時間がかかりそうです。


その3、日本にも問題はたくさん。

国によって内包する問題はそれぞれ違いますが、私たちが住むここ日本にも問題は多くあります。
例えば、ワーキングプア、その子供の貧困、そこからくる教育格差………豊かな国だと言われる日本だからこそ存在する問題はまだまだたくさんありそうです。



まだまだ考えていることはたくさんありますが、今日はここまで。
考えることが多すぎて、頭の中がごちゃごちゃしている中川ですが、とりあえず9月のはじめから一週間ほどタイに行き、自分の考えを深めたいと思います。初めての一人旅です!
(なんでタイ?ということはまた次回お伝え致します~)
現地のアムネスティの職員の方にもインタビューできるかも!?というチャンスを頂きました。ブログでもお伝えしますのでお楽しみに!




2016/08/31

インターンを終えて ~ここでの経験を「次」につなげる~

こんにちは。インターンの山口です。
つい最近始めたと思ったら、あっという間に半年が過ぎて、インターンを卒業するときになりました。

昨年、公務員試験の面接で不合格となり、途方に暮れていたとき、「何か新しいことに挑戦して、新たな自分を発見したい」という想いで、始めたのがアムネスティ日本のインターンです。

「自分は何をしたいのか。何ができるのか。何にやりがいを感じるのか。」

この問いへの答えを探し求めながら、アムネスティでは、日々、世界中の人権問題に関する情報の翻訳、フェイスブックやブログ記事の執筆、記者会見や講演会、総会の準備・運営、仲間のインターンと協力してのイベント企画など、さまざまな仕事を果たしました。

今年7月に実施したセミナー「消費と人権:あなたのスマートフォン、『児童労働』につながっていませんか」では、イベントの広報、運営を手伝いました!イベント終了後には、ゲストスピーカーやアムネスティ日本の職員、ボランティアメンバー全員で記念撮影。私は後列の最左にいます。


中でも印象に残っている仕事は、アムネスティのキャンペーン「北朝鮮:家族の声をつなげ!Connection Denied」に取り組んだことです。

悲惨な人権状況が続く北朝鮮ですが、アムネスティは同国から逃れ、韓国や日本で暮らす17名に聞き取りをし、今年3月に発表した報告書で、国外との通信規制が強化され苦境に追いやられる家族の状況を明らかにしました。

報告書発表時、日本では、東アジア地域事務所のニコラ・ベクラン所長とアーノルド・ファン調査員を招いて、記者会見や関連団体との意見交換会を実施しました。僕は、報告書を日本語に翻訳したり、ゲスト2人のアテンド、記者会見の準備と運営に携わりました。

3月の報告書「禁じられた通信~北朝鮮における徹底的な通信規制」発表記者会見でのニコラ所長(中央)・アーノルド調査員(右)・若林秀樹事務局長(左)


翻訳はとても難しく、ただ単に日本語にするのではなく、専門用語やその問題にある背景を十分に理解し、正確な情報にして伝える必要性を痛感しました。意見交換会では、英語で交わされる議論についていけず、自分と国際社会で活躍する人との間にあるとてつもない程の距離を感じました。

でも、この経験で、私のモチベーションはさらに高まりました!

「この距離を必ずゼロにする」

この気持ちを胸に、業務にあたっている中で、当初の自分の問いへの答えを見つけることができました。

それは・・・

「政府の一人として、日本をはじめ世界にある人権問題をなくことに貢献したい」

ということ。

多くの場合、政府は人権侵害を行う側です。一方、市民の人権を守る責任をもち、事件侵害を防ぎ、なくすことができるのも国です。だからこそ、その一員となり、中から人権問題に取り組む意義がある、と考えたのです。

Change from inside(中から変えろ)」

これは、私の夢をニコラ所長に話したとき、彼が私に残した言葉です。

今は、自分が何をしたいのか、を答えることができるようになっただけです。これからは、この答えを具現化していきたいと思います。

インターンを通して、大きな、大きな収穫を得ることができました。
ここで学んだことを将来、必ず活かしていきます。

アムネスティ日本の事務局長と職員の方、インターンを通して知り合ったすべての皆さま、そしてこのブログを読んでくださっている読者の方々、本当にありがとうございました。

インターン修了証書をもらいました!スーパーバイザーの職員・山下さんと一緒に。