こんにちは!インターンの中川です。
前回お伝えした通り、私は一週間のタイの修行に行ってまいりました。
なぜ急にタイに行くことにしたか、実はタイを選んだ深い理由は特にはありません。(タイ料理は好きですが。) ただ、一旦自分が住む国から離れることでごちゃごちゃした頭の中を客観的にみることができるかもしれない、ということがありました。そんなよく分からない動機で行くことになったタイですが、行く前に職員の山下さんからあるチャンスをいただくことができました。それは……アムネスティタイ支部に行くこと!!
海外のアムネスティがどんな活動をしているか、肌身で感じることができる!
そんなわくわくを胸に、中川はタイへと旅立ちました。
タイではバスの運転手さんに行き先が伝わらなかったり、いろいろあって日本にいる家族に多大なる迷惑をかけたり…とハプニングの連続でしたが、多くの人に助けられたことによって人の温かさを感じました。一人旅であったからこそ、たくさんの人と関わることができました。
そして、タイに上陸五日目!待ちに待ったタイ支部に行く日です。
日本支部のようなイメージをしていた中川ですが、なんとびっくり!タイ支部は一軒家のおうちでした!まるで友達の家に来た気分……
職員さんもとってもフレンドリーな方で、一緒にお昼ご飯を食べながら世界・タイ・日本の人権問題について意見交換ができました!
せっかくなので、タイ支部の職員Mayさんに突撃インタビューをしちゃいました!!
Q、アムネスティタイ支部が特に力をいれて解決に取り組んでいる人権問題はなんですか。
今、特に力を入れているのは難民問題と人権活動家のサポートです。
今、特に力を入れているのは難民問題と人権活動家のサポートです。
難民問題は、今グローバルキャンペーンとしてアムネスティが取り組んでいることですね。全世界の難民問題を取り扱っています。でも、タイにはミャンマーからくる難民や、パキスタンやベトナムで迫害を受けてタイに来たキリスト教徒の難民、難民の認定が下りるのをずっと待っている人もたくさんいます。
人権活動家のサポートも世界的に取り組んでいることですが、タイ支部はタイ国内の人権活動家のサポートをより積極的にしています。タイ国内に、その活動により拘束されたり脅しを受けたりしている活動家が多くいるのです。活動をしているグループに実際に会いに行って、メディアの効果的な使い方や、外部に向けたメッセージの発信の仕方、タイの政治情勢が具体的に今どういう状態なのかということを教えたりもします。
また、国内だけに焦点を当てると、改正されようとしているコンピュータ犯罪法が大変問題を含んでいます。改正されれば、今まで以上に表現の自由が制限され、プライバシーも守られないことになります。
Q、自分たちの活動をタイの人権問題の解決にどのように結び付けていますか。
多くの方法があると思いますが、最もいい方法は人々が人権について考えて、発言するきっかけを生み出すことだと思います。だから、今のタイの状況や世界の状況をより多くの人に知ってもらって、人びとに考えてもらえるようにすることが大切だと考えます。
Q、タイの人の人権意識は高いと思いますか?
No!!!です(泣)。多くの人々が、「人権」という概念自体がそもそも西欧から来たものだと信じているので、タイではまだまだ根付いていないように思います。また、人権という概念は安定した平和があってこそ意識できるものです。タイ国内ではまだ平和という部分に揺らぎがあるので、まずそこがしっかり構築されなければ人権に対する意識はまだ定着しにくいと思います。
Q、タイでアムネスティをよりよく知ってもらうためにどんな事をしていますか?
タイでアムネスティを知っている人々の多くが、政治や人権に元々興味を持っている人たちです。しかし、国民全体としては知らない人の方がほとんどです。アムネスティは草の根運動から生まれたものなので、もっと一般市民にアムネスティのことを知ってもらわないといけないと感じています。アムネスティの活動をより多くの人に理解してもらうためには、実際にイベントなどでface to faceで人々と関わり合うことが必要だと感じています。
例えば、タイには14のアムネスティの学生クラブがあります。これは、東北部と南部にそれぞれある二つのタイ支部が地域に密着して、ワークショップなど活動を行っている成果だと思います。活動を広げるのはとても地道で大変なことですが、草の根運動が主体のアムネスティにとってこの活動はとても重要なことだと思います。
また人権教育にも力を入れて、人権について楽しく学べる冊子もたくさん作っています。9月には、難民に関するイベントを開きます。イベントでは、移民と難民の違いについて話したり、どういう風に難民が生まれるのかということについて教えたりします。
また、タイ出身の子どもと難民の子どもを混ぜたグループでワークショップを開いたりもします。難民の子どもたちと直接かかわることで、難民でない子どもたちのなかの意識も変わっているように感じます。ワークショップのなかでは、子どもたちに「もし、自分の生まれた場所を離れて他の国に行かないといけないとしたら、何を持っていく?」というような質問をして、子どもたちに実際に自分が難民の立場に立った場合のことを考えてもらったりします。他にも映画を上映したり、フォトアクションをしたり、ウォータータトゥーのブースを開いたりと、楽しみながら人権問題に興味を持ってもらえるようにイベントの中で工夫をしています。
フォトアクションの様子 |
〈広々とした公園でのフォトアクション。とっても楽しそう!〉
Q、同じアジアにある支部として、アムネスティ日本支部に期待することはなんですか?
タイのサポーターは1000-1500人程度とまだまだ小規模なのですが、日本には、タイよりもサポーターがたくさんいるので、経済的にも規模としても大きなことをできると思います。日本はアジアにおいて政治的にとても影響力のある国の一つなので、アジア諸国の人権状況の改善に大きく貢献できるのではと期待しています。
そして、アムネスティタイ支部では奇跡的な出会いが待っていたのです……(次回に続く)
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