2015/01/19

アムネスティ映画祭:作品紹介vol.4

こんにちは!アムネスティ映画祭実行委員会PRチームのアサイです。

いよいよ映画祭まで一週間を切りました
お得な前売りチケットは、22日14:00まで販売を延長、今すぐご購入下さい!

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さて、今回が最後となりますアムネスティ映画祭の作品紹介では、
選り優りの2作品を紹介いたします。

まず1つ目は.....

『SYAMA みえない手錠をはずすまで
上映日時:1月24日(土) 16:00~

【ストーリー】

1963年、埼玉県狭山市でひとりの女子高生の誘拐、殺人事件が起こった。犯人逮捕へと焦る警察は被差別部落出身の石川一雄さんを別件逮捕する。石川さんは一審の死刑判決後に無罪を主張するも、二審で無期懲役となり、31年にわたる服役を経て出所する。獄中から一貫して無実を訴え続けた戦いの中で出会ったのが、妻、早智子さんだった。殺人犯というレッテルに加え、いわれのない差別にさらされてなお、「不運だったけど不幸ではない」というふたり。そんなふたりの凛として生きる姿が静かな感動を呼ぶドキュメンタリー。見えない手錠をかけられたその手には、しっかりと握りしめられたもうひとつの温かい手があった。

【見どころ】
もし謂れのない罪で犯罪者というレッテルを張られ、さらには30年以上にもわたり刑務所で過ごさなければならないと言われたら、それでも自らの無実を訴え、耐え抜く自信があなたにはありますか?

正直、私にはその自信がありません。しかしこのような状況を、石川一雄さんと、妻、早智子さんは乗り越えてきました。また、映画の中ではほとんどと言っていいほど、2人はその大変だった過去を悲劇として捉えようとはしていません。

昔の話をするとき、よく「もう忘れた」という言葉が出てくるのが印象的です。それよりも現在の生活から喜びや楽しみを満喫すること、将来の夢などに胸を膨らませること、そんな輝かしい二人の姿が、この映画では描き出されています。

そしてこの映画から見えてくるのは、石川さんが奥さんをはじめ、常に周りの人たちに支えられているということです。それはその人たちが、石川さんの人間性に触れ、共感し、心の底から石川さんを信じることができるからなのでしょう。正面から自らの“不運”に向き合い、そこから光を見出そうと前に進んでいく石川夫妻の姿に皆さんも何かを学んでいただけたら嬉しいです。

【作品情報】
監督:金聖雄/2013 年/日本/105 分/ドキュメンタリー/


2つ目の作品は......

『我々のものではない世界
上映日時:1月25日(日) 10:30~


【ストーリー】
レバノン南部のパレスチナ難民キャンプ、アイン・ヘルワ。そこで育ち、欧州へ移住した監督が、毎年故郷に里帰りして撮りためた家族の映像と、父の遺したホームビデオを織り交ぜ、家族の歴史と難民キャンプの変貌を描き出す。難民キャンプに一人暮らす偏屈な祖父、鳥好きの叔父、親しい友人など愛する人たちの生活の映像から、パレスチナ難民の複雑な思いが伝わってくる。

【見どころ】
難民キャンプ、パレスチナという単語だけを聞くと、衝突や対立が頻繁にあり、争いの絶えない毎日を暮す人たちの姿が浮かぶかもしれません。しかしこの映画ではそういった戦闘シーンや演出はほとんど出てきません。むしろ何気ない穏やかな日常を生きている人たちの姿がこれまでにないほどリアルに写し出されています。

もちろん、人々が拳銃などを簡単に手にしているシーンも出てきますが、それでも緊張感を感じさせません。それ故に、より鮮明になるのが活動の自由を制限された人間の閉塞感、絶望感、そしてフラストレーションです。祖国のために戦いたくても戦えない、そしてその祖国に住むことも属することもできない、複雑な人間の心境を映し出します。

これはただのパレスチナの問題にとどまらず、自分は何者か?自分の居場所はどこか?そして何のために生きているのか?という普遍的な問いも見ている私たちに投げかけます。

映画の中ではレバノンの難民キャンプに住む様々な人間が登場します。その中でも特に印象的なのが、幼い頃に海外へ移住した監督と生まれてから一度も難民キャンプを離れたことのないアブ・イヤドという監督の友人との交流、そして互いの心境に変化が生まれていく過程です。どんな状況でも、人とのつながりから人は変わることができるのかもしれません。

【作品情報】
原題:A WORLD NOT OURS/監督:マハディ・フレフェル/2012年/パレスチナ、アラブ首長国連邦、イギリス/93分/ドキュメンタリー/作品提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭


以上、日本とレバノンを舞台にした2作品をご紹介いたしました!

映画祭はいよいよ今週、24日(土)・25日(日)の2日間、ヤクルトホールで開催します!
当日、多くの方にお会いできることを楽しみにお待ちしております。


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▽アムネスティ映画祭 WEBサイト(前売りチケットの販売は22日まで!)
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2015/01/14

アムネスティ映画祭:作品紹介vol.3

こんにちは!アムネスティ映画祭実行委員会PRチームのヤマモトです。
いよいよ映画祭の開催まで、あと10日となりました!

お得な前売りチケットは、オンラインで16日まで購入できます!
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さて、今回のブログでは以前アップした作品紹介vol.2に引き続き、アムネスティ映画祭2015で上映する作品とその背景情報を紹介したい思います。

今回は言論・表現の自由をテーマにした2作品をピックアップ!

まず1つ目は.....


『禁じられた声 』
上映日時:1月24日(土) 11:30~/日本初公開


【ストーリー】
キューバ、イラン、そして中国。言論統制が厳しく、国家の政策を批判した者には厳しい処罰が科されるこれらの国に、ブログやソーシャルメディアを通じて人権侵害を告発している勇敢な女性たちがいる。自宅軟禁、政府当局による暴行、監視や盗聴など、日常的に危険に晒されながらも、彼女たちは世界に真実を発信し続ける。政権を批判し政治囚の釈放を呼びかけていることで有名なキューバのマリア・サンチェス・コルデロを中心に、中国の曾金燕、イランのファルナズ・セイフィの3人の女性を追いかけ、正義を貫こうとする彼女らの苦悩と闘いを描いた作品。

【見どころ】
私は試写の段階でこの映画を見た時、「この映画はどうやって撮ったんだろう?」と思いました。というのも、上にも記載したように、この映画は言論の自由が保障されていない3つの異なる国々で、各政府の恐怖や暴力による人権侵害に対し声を上げ闘う3人の女性を記録したドキュメンタリー映画なのですが、その言論統制が厳しい国々にカメラを持って行って映画を撮るということは並大抵の覚悟では出来ないだろうと思ったからです。

事実、本作の監督であるバーバラ・ミラー氏は今回の映画祭へ寄せたコメント内で、

「中国、キューバ、イランに撮影許可証なしで入国しなければならず、しばしば、隠しカメラで撮影しなければなりませんでした。キューバのヨアニ・サンチェスは常に監視下にあり、彼女を撮影しているところを見つかれば、私たちはすぐに逮捕されたでしょう。中国の曾金燕の軟禁状況はとても厳しく、彼女の自宅前に三度も行きましたが、中に入ることはできませんでした。幸いにも、曾金燕が自身を撮った映像を国外に持ち出すことはできました。イランでは、撮影カメラマンが二度、逮捕されました。それは非常に緊迫した瞬間でした。」

と述べています。
表現の自由が保障されていない国を、映画という表現を通して描く、この緊張感が画面から終始感じ取れる素晴らしい映画です。この作品は、今回の映画祭での上映が日本で初めての上映ということもあるので、映画好きの方をはじめ沢山の人びとに見ていただきたい作品です!

【作品情報】
原題:Forbidden Voices
監督:バーバラ・ミラー/2012 年/スイス/96 分/ドキュメンタリー
制作:Das Kollektiv für audiovisuelle Werke GmbH
配給:Kristen Fitzpatrick, Director of Acquisition & Exhibition



2つ目の作品は......


『アイ・ウェイウェイは謝らない』
上映日時:1月24日(土) 18:05~



【ストーリー】
中国の代表的な現代芸術家であり、最も声高な政府批判者として知られるアイ・ウェイウェイ。2008年北京五輪の"鳥の巣"スタジアムのクリエイターでありながら、五輪大会を糾弾し、中国政府の監視は次第に強まっていく。2008年四川大地震で5,000人以上の子どもが犠牲となった校舎倒壊事故が発生し、事故を調査する彼と中国政府の対立は決定的に。2009年8月、彼は警察の暴行を受け、脳内出血の緊急手術を受ける。そのときミュンヘンで開催された個展では、子どもたちを追悼する感動的なインスタレーション「追悼」が展示されていた。稀代の芸術家、そして反骨の活動家としてのアイ・ウェイウェイに迫るドキュメンタリー。

【見どころ】
中国の情報統制に対する強烈なメッセージが込められたアイ・ウェイウェイの作品にも圧倒されますが、私が特に興味を持ったのは、彼がいわゆるFacebokやTwitterなどのソーシャルネットワークのメリットに注目し、芸術活動を極めて敷居の低いものとしてとらえていたところです。

例えば、劇中でも出てくる「納得のいかないものに中指を立ててスマートフォンで写真を撮る」という彼の手法は、写真という芸術と政治性を絡めた作品を誰もが簡単に生み出せるんだということを私たち観客に教えてくれます。自己を簡単に表現できる現在のインターネット社会を最大限に利用する彼の姿勢には、本当に勇気をもらいます。

アムネスティ映画祭のポスターには、ビデオカメラと拳銃が融合したモチーフが毎回描かれています。アイ・ウェイウェイが行っている社会活動は、まさにこのモチーフが暗示するような「武器としての芸術」というものと切手は切り離せないのではないかと思いました。彼にとっては、パソコン、携帯電話といった現在の私たちの生活に密着しているものが中国政府の体制を批判するための武器となります。特定の政治体制のもと、それに反抗する人間がどのような方法でどのように戦っているのかを知る上でも、間違いなく必見の映画です!

【作品情報】
原題:AI WEIWEI : NEVER SORRY
監督:アリソン・クレイマン/2012年/米国/91分/ドキュメンタリー
製作:ユナイテッド・エクスプレッション・メディア
配給:キノフィルムズ


以上、1月24日上映作品から2作品をご紹介いたしました!

今後もブログ内で、残りの上映作品の情報を随時アップしていきますので、
皆さんぜひぜひご覧ください!
  

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アムネスティ映画祭:作品紹介vol.2



こんにちは!アムネスティ映画祭実行委員会PRチームのイソガイです。

映画祭はいよいよ今月開催です!
お得な前売りチケットの購入締切が16日(オンライン)に迫っています!

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今回は、作品紹介第二弾として、125日(日)に上映する「ハーフ」と「ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1」の2作品を紹介します。

『ハーフ』 
上映日時:125() 13:00

【ストーリー】 
「ハーフ」の監督による、「ハーフ」たちの本音に迫ったドキュメンタリー。年齢、性、背景も様々な立場の「ハーフ」5人の葛藤や悩み、心の傷が描かれ、見る者に「日本人とは何か?」という問いを投げかけます。自身も「ハーフ」である女性監督2人が、アイデンティティや社会の多様性の問題に迫るドキュメンタリー。 

【見どころ】 
あなたの周りにハーフの人はいますか?正直、私はあまり意識したことがなく…
たぶんいなかったと思います。

日本では、国際結婚カップルが年に2万組以上誕生していて、複数の文化的アイデンティティを持つ「ハーフ」の子どもの数も増加傾向にあるそうです。 

この映画では、年齢、性、背景も様々な立場の「ハーフ」5人の葛藤や悩み、心の傷が描かれています。この映画を見て、改めて「日本人」って何だろう?アイデンティティってなんだろう?と考えさせられます。そして、「ハーフ」の人たちが、日本で生きていく上で感じたり考えたりしていることを知ることができます。

【作品情報】 
原題:Hafu : the mixed-race experience in Japan
監督・撮影:西倉めぐみ、高木ララ
2013
年/日本/87分/
配給協力:ユナイテッドピープル


『ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1 
上映日時:125() 14:50劇場未公開

(C)Paul_Wright
【ストーリー】 
イギリスの平和活動家ブライアン・ホウを1年半にわたって追い続けたドキュメンタリー。「イラクの子どもたちを殺すな」、ブライアンは反戦のプラカードを掲げた。イギリス国会前の広場にテントを張って生活しながら、8年以上家にも帰らず、1日も休まず、英米政府の対テロ戦争に異を唱えるブライアン。いつしか仲間も集うようになった。国家の圧力とそれへ対抗する彼らの姿を伝える。 

【見どころ】 
英国って、自由の国の一つだと思いませんか?
さまざまな権利がきちんと守られている国だと。 

本作で登場するブライアン・ホウは、米英の軍事行動に疑問を投げかけ、2001年から英国会議事堂前で抗議行動を始めました。

なんと、8年以上も自宅に帰らず反戦を訴え続けていたのです。そんな彼に賛同し、多くの人々がデモ活動に参加し、国中から注目を浴びる存在となっていきました。 

それに対して、英国当局は、いろいろな方法でブライアンたちを排除しようとします。

中国などの「表現の自由」が制限されていること等はよく聞く話ですが、先進国である英国でもこんなに規制されているんだ!ということを知れます。そして、日本はどうなんだろう??と考えるきっかけになりました。 

さらに、今回は映画の後に早川由美子監督が登場! 
ブライアンとの出会いや最初にどうやって取材をお願いしたのか、撮影中の秘話、そして監督が作品に込めた思いなどを語っていただきます。

ぜひ、トークイベントも楽しんでください。


【作品情報】 
原題:Brian & Co. Parliament Square SW1
監督・撮影・編集・ナレーション:早川由美子
2009
年/イギリス、日本/97分/ドキュメンタリー/
制作:Petite Adventure Films 



今回は、テーマの違う2作品を紹介させていただきました。
この2作品は、私たちが住む日本のことを再度考えさせてくれる映画でした。

ぜひ、アムネスティ映画祭でご覧いただき、日本について改めて考えてみませんか?
会場にて、お待ちしています!!!
 

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