今回は、先月行われたアムネスティの世界大会についてご紹介したいと思います。
2年に1回、今後の活動方針や役員を決める「世界大会」が8月7日から11日まで、アイルランドのダブリンで開催されました。
毎回、世界各地から400名前後の人びとが集まり、丸5日間、朝から晩まで、ぶっ通しで議論するのです。時には意見が対立し、けんけんがくがくの議論を行いますが、最後は、民主的に方針を決定します。
世界大会会場で投票する出席者 |
日本支部出席者:左から鈴木(職員)、庄司(理事長)、森本(副理事長)、若林(事務局長)。ごきげんです。 |
日本からの出席者は4名。
世界から出席者が集まりますので、最大の課題はコミュニケーションです。残念ながら大会の使用言語は、日本語ではなく、英語(他にフランス語、スペイン語可)であり、我々にとっては「言語の壁」と闘いながらの体力勝負の5日間でした。
アムネスティは世界最大の人権NGOですが、社会にインパクトを与え、人権課題を解決するには、ある程度テーマを絞り、方針を決め、世界で一斉に活動することが重要です。
重要な決議は、最低でも1年以上も議論を重ね、最後はコンセンサスもしくは投票行動で方針を決めるのです。日本支部も今回の大会では、会員の数等に応じて付与された3票(全体で約200票)を投票しました。
戦略目標では、大きなくくりとして、「自由を取り戻す」、「平等な権利」、「危機に対応」、「説明責任を確保」、「成長」という、5つの大きな目標を掲げました。
それぞれについて簡単に説明すると……
「自由を取り戻す」=表現の自由など、誰も基本的人権を知り、主張できる。
「平等な権利」=ジェンダー、LGBTIといった性志向、民族的マイノリティといった出自や属性に関わらず、すべての人の人権が平等に実現されることを目指す。
「危機に対応」=紛争や危機的状況から人びとを守る。
「説明責任を確保」=企業や国家による人権侵害に対し、説明責任を追及する。
「成長」=私たちのリソースと取り組みを最大化し、成長をはかる。
残念ながら、世界では「表現の自由」さえ守られていません。最近でも、中国では前例をみない規模で、人権問題を扱う弁護士や活動家が全土で拘束されました。(Link)
「平等な権利」では、相変わらず女性やマイノリティの権利が守られていません。本大会では、社会的に追いやられているセックスワーカーの人権を守るための決議を採択しました。詳しくは、アムネスティ日本のウェブサイトのプレスリリースとQ&Aをお読みください。
アムネスティ日本支部では、この世界大会での方針決定を受け、9月から2016年度の活動計画案と予算案を策定し、最終的に来年3月の総会で決定します。アムネスティ・フェスティバル(仮称)と称して、総会前には楽しく、ためになるワークショップも開催します。是非、ご参加ください。
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