2016/03/02

危険地取材でどう生き残るか?ブックレビューⅠ

こんにちは、難民問題などキャンペーンを担当している職員の山口です。

今日は、紛争が起きている現場でどんな取材がされて、 私たちのところへ届けられているのか、裏側を知ることができる本をご紹介します! 

戦場記者 「危険地取材」サバイバル秘話 (朝日新書)です。


危険地の取材を数多くこなしてきた、朝日新聞社・国際報道部部長の石合力さん が昨年末に出版した新書です。 石合さんは、アムネスティのイベントにも登壇してくださり、 中東に駐在した経験から、中東から見た日本やシリア難民の話など、 いろいろなお話しをしていただきました。
分かりやすいお話しで、もっと詳しく聞きたい!と、大好評でした。

右:石合力さん アムネスティイベントにて

本書は、そんな石合さんが中東の紛争地など危険な場所に乗り込んで、 どのように取材してきたのかをまとめたものです。 


パートⅠでは、危険地取材の日常が書かれています。

爆弾テロの現場でのスリリングな話から、 国境越えの逸話が盛りだくさんです。 さらに、記者としてどうやって単独会見を実現させるのか、 通信状況の悪い現場から日本まで記事を送るには、という具体的な取材術まで書かれています。

私事ですが、以前は別のNGOで危険な場所へ行ったこともあり、 現場での動き方という点で共感することがありました。 現地の人たちと一緒になって動き、情報を集めることが重要です。
思わぬ出会いがあったという石合さんの体験談から、 現場でのフットワークの軽さが取材を展開していく秘訣だと感じました。


パートⅡでは、危険地取材の必要性に言及されています。

取材で危険な目にあったらどうするのか、自己責任で行くべき、など いろいろな批判も多いため、この点もNGOと似ている部分を感じました。 特にアムネスティの仕事は、人権侵害が起きているまさに現場に切り込んでいかなければなりません。 危険地であることも多く、紛争下の人権保障はアムネスティの取り組む課題の一つです。

例えば、ロシアがシリアへ空爆をしたときに、民間人が巻き込まれたという情報がありました。 事実があったのか、実際に何が起きたのか、専門の調査員が現地へ向かいます。 現場の写真を撮り、現地の人から当時の状況を聞き取ります。

現場での調査がなければ、事実が明らかにされず、人権侵害の状況は改善されません。 案の定、ロシア政府はそんな事実はないと否定しています。 取材した記者やNGOが発信し続けなければ、現地で苦しんでいる人たちの声はどこにも届かないのです。

取材の裏話を知りたいという方だけでなく、 将来国際的に活躍するジャーナリストや、 NGOで働きたい!という学生さんも、必読です。 ぜひ、読んでみてください!

山口


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