2017/01/12

活動家との対話から感じたこと

新年あけましておめでとうございます!
インターンの平島です。2017年の目標は早寝早起きです^^

今回はイベント「難民危機に日本は何ができるのか」の裏話について書こうと思います。

このイベントは、11月末~12月にかけて行われた講演会で、難民支援の現場に長らく携わってきたリリアン・ファンさんをタイよりお招きして行いました。

 150名近くにお越しいただいた東京講演!大盛況でした。 

インターンを始めた8月当初からこのイベントのことは聞かされていたので、大きなイベントなのだなあ!とソワソワしておりました。イベント準備は膨大で、とくに職員の山下さんは朝早くから夜遅くまで絶賛稼働しておられました。また全国各地のボランティアさんも尽力してくださっていました。

そういう大きなイベントなわけで、書けることはたくさんあるのですが!やはりゲストのリリアンさんとの交流が一生モノの思い出なので、リリアンさんの送迎をしたときの話をしたいと思います。


 ■お迎え編■

11月27日に、リリアンさんを羽田空港にてお迎えに行ってきました。


長いフライトお疲れ様でした!


 とても気さくで話しやすい方で、到着早々リリアンさんの活動や難民問題について質問攻めにしてしまいました。少し学問的な話になりますが…リリアンさんはコロンビア大学で文化人類学を、私は今大学院で社会学を専攻しています。似た学問同士ということで話が盛り上がりました。

印象的なのは、リリアンさんがミシェル=フーコーやアガンベンの論じている生権力論に精通していること、しかもそうした理論が人道支援活動の中でとても役に立つとおっしゃられていたことです。 


リリアンさんと盛り上がった本。人権について理論と実践の交わりの例。
著:パウロ・フレイレ 翻訳:三砂ちづる (亜紀書房)

 活動家でもあり理論家でもあるリリアンさんと話していて、人道支援のあり方の厚みを感じました。人権のサポートの仕方はきっとさまざまで、活動家もいれば、そうした活動を陰で支えるオフィスワーカーもいるし、ジャーナリスト、学者などの理論家もいる。アムネスティの会員になることもまた1つの方法だし(宣伝)、アムネスティのイベントに参加して知識を広めていくことにも意味がある(宣伝)。

講演会でリリアンさんに「私には何ができますか」とご質問された方がいました。多くの人が「私1人にできることはそんなにないだろう」と感じているのではないでしょうか。しかし、リリアンさんは ”There are plenty of things that you can do.” と応えられ、大小さまざまな関わり方を紹介されていました。

私も、私だからこそできることをやっていきたいですし、すぐには役に立たないかもしれないけれど理論の勉強などを続けようと思います。


 ■お見送り編■

空港までの道中、リリアンさんは「あと1時間で国連にインドネシアの被災状況をレポートしなきゃいけないの」と大わらわでした。12月5日に最後の講演を終えて、そのあとも法務省等でレクチャーをされるなど沢山の予定をこなし、ひと段落…かと思いきや12月7日にインドネシアの災害が起きたということで対応を始め、大急ぎで日本を去っていかれたのでした。

そんなリリアンさんの怒涛の人道支援ライフを目の当たりにしつつ、私は今の立場でできることをしっかりしていこう…と改めて思ったのでした。

ロヒンギャの方と交流するリリアンさん


 最後に1つ、心に残ったことを。東京講演でリリアンさんに「難民問題を考えるうえで大切なことは何か」という質問がありました。

リリアンさんは、「難民が自分と同じように人間であることを忘れてはいけない」とおっしゃられました。
難民の方々のことをまるで「難民」という生物のように思ってしまう感覚、確かにあると思います。難民キャンプや紛争下の国という別世界に暮らす人々はあまりにも遠い存在に感じられるときがあると思います。だからこそ、難民危機に無関心でいられたり、あるいは上から目線に陥ってしまったり、人道支援の目標が下がったりするのだと思います。

しかし難民の方々1人1人、私たちと同じようにそれぞれが自分の人生を生きている存在です。ちょっと青い言葉ですが、夢とか希望とか、そういうものが人間にはあって然るべきだと思います。だから、彼らが今置かれているような、その日を生きることすら大変な状況が、そのままでいいはずがありません。

人間とは何かという大きな問いに今一度立ち返ったうえで、あらためてI CHOOSE HUMAN RIGHTSと宣言してみます。
以上、平島でした!



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